年末年始に実家へ帰ると、普段より物の多さが気になることがあります。
玄関に荷物が増えていたり、使っていない食器が棚いっぱいに入っていたり、郵便物や衣類が積み重なっていたりすると、
「せっかく帰ってきたんだから、少し片付けたい」
と思うかもしれません。
ただ、子どもにとっては「片付け」でも、親にとっては自分の物を勝手に処分される話に聞こえることがあります。
年末年始だからといって大掃除を押しつけるのではなく、まずは1か所・短時間だけ一緒に見るところから始める方が、揉めにくくなります。
「年末だから片付けよう」だけで始めない
年末は大掃除の時期なので、「今やるのが普通」と考えやすくなります。
しかし、親にとっては年末だからといって、自分の持ち物を整理したいとは限りません。
「年末なんだから、これくらい片付けようよ。」
と言われると、片付けの必要性ではなく、「やらされること」への反発が先に出ることがあります。
年末を理由にするより、目の前の場所について聞く方が自然です。
「ここ、使いにくくない?」
「この棚だけ、少し見てみる?」
片付けることを前提にせず、まず本人がどう感じているかを確認します。
最初の声かけは3つの要素だけにする
場所を一つに絞る
「実家を片付けよう」と言うと、家全体を整理する話に聞こえます。
最初は、
- 玄関の棚だけ
- 食器棚の一段だけ
- 洗面所の収納だけ
- 机の上だけ
のように、場所を一つに絞ります。
「今日はこの棚だけ見てみない?」
これなら、親にも作業量が分かりやすくなります。
時間を先に伝える
どこまで続くか分からない片付けは、始める前から負担に感じやすくなります。
そこで、
「30分だけやって、終わったらやめよう。」
のように、終わる時間を先に決めます。
30分でなくても、10分や20分でも構いません。
実際に短時間で進める場合は、帰省のたびに実家を少しずつ片付ける方法|1回30分で進める小分け手順も参考になります。
「捨てる」ではなく「見る」と伝える
最初から、
「いらない物を捨てよう。」
と言うと、親は「何を捨てられるのか」と警戒しやすくなります。
代わりに、
「何が入ってるか一緒に見てみようか。」
と伝えます。
見ることと、捨てることを分けるだけでも始めやすくなります。
片付けを切り出すときに使いやすい文例
物が増えている場所が気になったとき
「ここ、前より少し物が増えたね。使いにくくない?よかったらこの辺だけ一緒に見ようか。」
「散らかっている」「汚い」と評価するのではなく、使いにくさがないかを聞きます。
親が「別に困っていない」と言ったとき
「そっか。じゃあ無理にやらなくていいよ。もし今度気になるところがあったら、その場所だけ一緒に見よう。」
拒否されたあとも説得を続けるより、一度引いた方が次の話につながりやすくなります。
年末の大掃除をきっかけにしたいとき
「うちも年末に少し片付けるから、こっちも一か所だけ一緒にやる?」
「実家だけ片付ける」のではなく、自分の家でも同じことをしていると伝える方法です。
ただし、年末だから必ずやるという形にはしません。
作業を始めたら親が決める物と家族ができる作業を分ける
残す・手放すは親に確認する
親の物について、子どもだけで処分を決めないようにします。
「これは残しておきたい?」
「今日は決めにくかったら、そのままにしておこうか。」
迷う物までその日に結論を出す必要はありません。
物をどう分けるか迷う場合は、実家の片付けで『残す・保留・手放す』をどう決める?迷わない3分類で判断の分け方を整理しています。
運ぶ・まとめる作業は家族が手伝う
一方で、袋を用意したり、残す物を棚へ戻したり、処分すると決まった物をまとめたりする作業は家族が手伝えます。
親にすべて作業してもらうのではなく、
判断は親、作業は家族も手伝う
くらいに分けると進めやすくなります。
兄弟姉妹がいるなら片付け前に役割を決める
全員で親を急かさない
正月に兄弟姉妹が集まっていると、みんなで片付けを始めたくなることがあります。
しかし、
「これいらないよね?」
「こっちも捨てよう。」
と複数人から言われると、親が判断を急かされていると感じることがあります。
親に確認する人を一人にして、ほかの人は運搬や整理を担当する方法もあります。
兄弟が持ち帰る物はその場で決める
「これは誰か使うかも」と残してしまうと、実家の物は減りません。
兄弟の誰かが欲しい物は、できればその場で誰が持ち帰るか決めます。
「これ欲しい人いる?いなければ今日は保留にしよう。」
所有関係や価値判断が必要な物まで、その場で結論を出す必要はありません。
兄弟全体で親や実家について話す場合は、正月に兄弟が集まったとき親のことをどう話す?見守り・実家の分担を決める順番も参考になります。
片付けを嫌がられたときは理由だけ聞く
親が片付けを嫌がるとき、必ずしも「物を捨てたくない」だけが理由とは限りません。
疲れている、正月くらいゆっくりしたい、自分の物を触られたくないなど、理由はさまざまです。
「今日はやりたくない感じ?」
「物を触られるのが嫌なのか、今日は面倒なのか、どっちに近い?」
理由が分かれば、次回の進め方も変えられます。
親が物を捨てること自体を嫌がっている場合は、親が物を捨ててくれないときの話し方|実家の片付けで避けたい言葉と進め方も参考にしてください。
年末年始に終わらせようとせず、次回につなげる
帰省中に片付けを始めると、「せっかくだからもう少し」と続けたくなることがあります。
ただ、年末年始に実家全体を終わらせる必要はありません。
一か所終わったら、
「今日はここまでにしよう。次に来たとき、また一か所だけやろうか。」
と区切ります。
帰省のたびに少しずつ続けられる方が、一度に大量に処分するより親の負担も小さくなります。
片付けだけでなく、年末年始に親の暮らしについて何を話すか整理したい場合は、年末年始の帰省で親と話しておきたいこと|重くならない切り出し方もあわせて参考にしてください。
年末年始の片付けは「一か所できたら十分」と考える
年末年始は、大掃除を終わらせることよりも、親と一緒に片付けられる形を作る機会として考える方が続けやすくなります。
一か所だけ選ぶ。時間を決める。捨てることから始めない。
この3つだけでも、片付けの切り出し方は大きく変わります。
今回すべて終わらなくても、次にまた一緒に見られる状態が残れば十分です。

