親が元気なうちに、
「少しずつ実家の物を整理しておいたほうがいいのでは」
「大事な書類の場所くらい確認しておきたい」
「今のうちに生前整理について話しておきたい」
と思うことがあります。
けれど、「生前整理」という言葉はとても切り出しにくいものです。
親から、
「まだ死ぬ気ないよ」
「縁起でもないこと言わないで」
「そんなに私が死んだ後のことが気になるの?」
と言われそうで、話せないままになっている家庭もあるでしょう。
実際、生前整理は「亡くなる準備」だけをするものではありません。
今使っている物と使っていない物を分けたり、大事な書類を見つけやすくしたり、これからの暮らしを少し楽にしたりすることも含まれます。
そのため、親に話すときは最初から、
「生前整理しよう」
と言う必要はありません。
これから暮らしやすくするための整理として、小さな話から始めることが大切です。
この記事では、親と生前整理について話したいときの切り出し方、角が立ちにくい言い方、そのまま使える例文、親が「縁起でもない」と嫌がった場合の返し方を紹介します。
親に生前整理の話をしにくいのはなぜ?
生前整理という言葉には、「死後の準備」という印象があります。
子ども側にはそんなつもりがなくても、親には、
「自分が死んだ後のことを考えられている」
ように聞こえることがあります。
だからこそ、生前整理について話すときは、言葉そのものよりも「何のために話すのか」が重要です。
「死ぬ準備をしろ」と言われたように感じることがある
子どもから、
「そろそろ生前整理したら?」
と言われると、
「まだ元気なのに」
と思う親もいます。
そこで、最初は生前整理という言葉を使わず、
「使ってない物だけ少し整理しない?」
「大事な書類がどこにあるか分かるようにしとかない?」
という具体的な話から始める方法があります。
生前整理と通常の実家の片付けの違いはこちらで整理しています。
→生前整理と実家の片付けの違いとは?親が元気なうちに始める順番と注意点
「子どもが後で楽をしたいだけ」と思われることもある
実際、親が亡くなった後の片付けを考え、
「今のうちに減らしてほしい」
と思う気持ちがあることも否定できません。
ただ、それだけを前面に出すと、
「結局、自分たちが楽したいだけでしょ」
と思われやすくなります。
まずは、
「今の家を暮らしやすくする」
「必要な物を見つけやすくする」
という、親自身にとってのメリットから話したほうが自然です。
親が元気なうちに実家を片付ける意味はこちらでもまとめています。
→親が元気なうちに実家を片付けるメリット7選|早めに始める理由と注意点
最初から「生前整理しよう」と言わなくていい
生前整理について話したいと思っていても、言葉そのものを使わない方法があります。
むしろ、最初はそのほうが話しやすい家庭も多いでしょう。
まずは「使っていない物」の話から始める
たとえば、
「この棚、最近使ってない物多くない?」
「今度時間あるとき、一緒に見てみない?」
くらいから始めます。
家全部を整理する話ではありません。
棚ひとつ、引き出しひとつでも十分です。
実家の片付けをどこから始めればよいかはこちらで整理しています。
→実家の片付けはどこから始める?親が元気なうちに無理なく進める7つの手順
大事な物の場所を確認するところから始める
物を捨てることに抵抗がある親なら、まず重要書類について話す方法もあります。
たとえば、
「保険とか通帳とか、大事なものってどこにまとめてる?」
と聞きます。
処分ではなく、
「必要なときに探せるようにする」
という整理です。
通帳の場所を聞きにくい場合はこちらで詳しくまとめています。
→親に通帳の保管場所を聞くには?お金を疑っていると思われない聞き方
重要書類についての話はこちらでも今後まとめる予定です。
→親の重要書類の保管場所を聞くときの伝え方|元気なうちに確認するには(準備中)
生前整理の話を切り出しやすいタイミング
話す内容だけでなく、タイミングも大切です。
何の前触れもなく、
「生前整理の話なんだけど」
と始めると、親も身構えます。
日常の中で自然なきっかけがあるときに話すほうが進めやすくなります。
実家の片付けをしているとき
押し入れや棚を整理していると、
「これ何年も使ってないな」
という物が出てきます。
そのとき、
「こういうの少しずつ見といたら、家も使いやすくなりそうやね」
と話せます。
実家を片付けてほしいと親に伝えるときの話し方はこちらです。
→実家を片付けてほしいと親にどう言う?話を切り出す順番と例文
親自身が「物が多い」と言ったとき
親から、
「最近物が増えすぎた」
「探し物ばっかりしてる」
という言葉が出たら、自然なきっかけです。
「じゃあ今度少しだけ一緒に整理しようか」
と提案できます。
子ども側から問題を指摘するより、親自身の困りごとから始めたほうが受け入れられやすくなります。
親に生前整理をすすめるときの伝え方
生前整理を話すときは、
「将来こちらが困る」
という話だけにしないことが大切です。
まず、親が今暮らしやすくなることを中心にします。
「これから楽に暮らすため」と伝える
たとえば、
「今のうちに少し物減らしたら、探し物も楽になるんちゃう?」
という言い方です。
これなら、
「死後の片付け」
ではなく、
「今の生活を楽にする整理」
として話せます。
親が物を捨ててくれない場合の話し方はこちらでも詳しく整理しています。
→親が物を捨ててくれないときの話し方|実家の片付けで避けたい言葉と進め方
「全部やる」ではなく少しだけと伝える
生前整理という言葉から、
「家全部を片付ける」
と思われると、親も嫌になります。
そこで、
「今日はここだけ」
「捨てるか決めなくてもいい」
と範囲を小さくします。
一回で終わらせる必要はありません。
そのまま使える生前整理の切り出し方
親との関係に合わせて、言いやすい表現を選んでください。
大切なのは、「死後のため」だけを理由にしないことです。
軽く話を始めるとき
「最近、物探すこと増えてない?一回使ってる物だけ分かるようにしとかへん?」
「全部捨てるとかじゃなくて、いらない物があったら少しずつ整理しない?」
「今のうちに大事な物の場所だけ分かるようにしといたら、お互い楽ちゃう?」
「私も自分の家片付けなあかんと思ってるから、一緒に少しやらへん?」
「生前整理っていうほど大げさじゃなくて、暮らしやすくするために少し見直すだけでいいと思うんよ」
親が「死ぬ準備みたいで嫌」と言いそうなとき
「死んだ後のためだけに言ってるんじゃないよ」
「今使いやすくしたほうが楽かなと思ってるだけ」
「捨てたくない物は残したらいいよ」
「全部整理してほしいわけじゃないよ」
「今だから普通に相談できるかなと思って」
親が元気なうちに暮らしについて話しておきたい内容はこちらでも整理しています。
→親が元気なうちに話しておきたい実家と暮らしのこと
「縁起でもない」と言われたらどう返す?
生前整理の話では、
「そんな縁起でもない話しないで」
と言われることがあります。
その場合、言葉の意味を説明して納得させようとしなくても構いません。
「死ぬ話じゃない」と短く伝える
たとえば、
「死ぬ準備の話をしたいわけじゃないよ」
と伝えます。
そのうえで、
「今使ってない物とか、大事な書類だけ分かるようにしたいんよ」
と具体的な内容に戻します。
「生前整理」という言葉に抵抗があるなら、その後は使わなくてもよいでしょう。
その日は話を終えてもいい
親が強く嫌がるなら、
「分かった。今日はこの話やめとこう」
と一度終えます。
また別の機会に、片付けや書類整理など小さな話から始めれば構いません。
親との実家の片付けで喧嘩になってしまった場合の対応についてはこちらでまとめています。
→親と実家の片付けで喧嘩になったときの対処|その日の終わらせ方と再開のコツ(準備中)
「まだ早い」と言われたらどうする?
親から、
「そんなのまだ早い」
「もっと年取ってからでいい」
と言われることもあります。
この場合も、
「今やらないと遅い」
と押し切らないことが大切です。
年齢ではなく「今できること」だけ話す
生前整理は、何歳になったら始めるという決まりがあるものではありません。
そこで、
「全部やるんじゃなくて、使ってない物だけ見よう」
と話します。
年齢を理由にしないことで、親も受け入れやすくなります。
判断できるうちに本人に選んでもらう
実家の物について一番よく分かっているのは親本人です。
子どもには不要に見えても、本人には残したい理由があることがあります。
だからこそ、
「これはどうしたい?」
と本人に聞きながら進めます。
親の物を勝手に処分しないためのルールについてはこちらでまとめています。
→親の物を勝手に捨てないために|実家の片付けで最初に決めたいルール(準備中)
生前整理では「捨てる」以外の選択肢も残す
片付けを始めると、
「これはまだ使える」
「捨てるのはもったいない」
と言われることがあります。
その場合、捨てるか残すかの二択にしなくても構いません。
売れる物は一度確認する
実家の中には、買取を試せる物もあります。
ただし、何でも売れるわけではありません。
処分する物と売却を試す物を分けて考えると整理しやすくなります。
実家の不用品を売るか処分するかの判断はこちらでも整理しています。
→実家の不用品は売れる?買取と処分を分ける判断基準|捨てる前の確認リスト
思い出の品は急いで判断しない
写真や記念品などは、その日に処分を決めなくても構いません。
「これは保留箱」
を作る方法もあります。
親にとって思い入れのある物ほど、家族側から処分を急がないことが大切です。
親の思い出の品を整理するときの話し方についてもこちらでまとめています。
→親の思い出の品を片付けたいときの話し方|処分を急がない進め方(準備中)
本や趣味用品は本人に確認してから整理する
実家には、本や趣味用品が大量に残っていることがあります。
家族にとって不要に見えても、親には価値があります。
そのため、勝手に処分せず本人に確認します。
本が大量にある場合
本は、
- 売る
- 寄付する
- 処分する
など複数の方法があります。
大量の本を整理するときの選択肢はこちらでまとめています。
→実家の古い本を大量に処分する方法|売る・寄付する・捨てるの選び方
趣味用品が残っている場合
ゴルフ用品やコレクションなどは、家族には価値が判断しにくいものです。
処分前に親本人の希望を聞きます。
古いゴルフクラブの処分方法はこちらで整理しています。
→古いゴルフクラブの処分方法|買取できる物の見分け方と捨て方
趣味用品そのものを整理してほしいと伝える方法についてもこちらでまとめています。
→親の趣味用品を処分したいときの話し方|価値を否定せず整理するには(準備中)
生前整理と一緒に確認したい重要書類
物の整理が進んだら、重要書類についても少しずつ確認しておくと安心です。
ただし、すべての中身を家族が把握する必要はありません。
まずは「どこにあるか」を確認する
たとえば、
- 通帳
- 身分証
- 保険関係の書類
- 契約関係の書類
- 家や土地に関する書類
などです。
最初は内容より、
「どこに保管しているか」
を確認するだけでも構いません。
身分証や公的書類の確認についてはこちらです。
→身分証・公的書類の更新忘れで困るもの|期限切れ前に確認するチェックリスト
契約についても少しずつ確認する
長年暮らしている家では、自動更新されているサービスなどが残っていることがあります。
親本人が困っていないなら、すぐ解約する必要はありません。
まず何を契約しているか確認するところから始めます。
親の契約を確認するときの伝え方はこちらです。
→親の契約内容を確認したいときの伝え方|勝手に見る前にどう切り出す?
使っていない自動更新サービスについてはこちらでも整理しています。
→自動更新サービスの解約忘れで損しやすいもの|「使ってないのに払ってた」が少し怖い
兄弟がいるなら生前整理について共有しておく
実家の片付けを一人だけで進めると、
「そんな話聞いてない」
と後から兄弟に言われることがあります。
特に思い出の品や高価そうな物を整理する場合は、事前に共有しておくほうが安心です。
片付けを始めることだけでも伝える
細かい作業内容まで毎回共有する必要はありません。
まず、
「親と話して、少しずつ実家を整理することになった」
と伝えます。
兄弟に実家の片付けを手伝ってほしい場合の頼み方はこちらです。
→兄弟に実家の片付けを手伝ってほしいときの頼み方|自分だけが負担しない伝え方
家族に関係する物は一人で決めない
昔の写真、家族の記念品などは、兄弟にも残したい物があるかもしれません。
そのような物は一度共有してから判断すると揉めにくくなります。
実家の片付けを始めることを兄弟へ伝える方法についてもこちらでまとめています。
→実家の片付けを始めることを兄弟にどう伝える?勝手に捨てたと言われないために(準備中)
親に生前整理をすすめるときに避けたい言い方
生前整理の必要性を感じていても、言葉によっては親を傷つけてしまいます。
特に次のような言い方は避けたほうがよいでしょう。
- 「死んだ後こっちが困るから」
- 「今のうちに全部捨てて」
- 「どうせもう使わないでしょ」
- 「こんなに残されたら迷惑」
- 「そろそろ終活しないと」
- 「もう年なんだから」
- 「元気なうちに全部やって」
- 「私たちのために片付けて」
- 「死んだら誰が片付けると思ってるの?」
子ども側には現実的な理由があります。
それでも、最初の会話で将来の負担ばかりを伝えると、親には自分が邪魔になっているように感じられることがあります。
まずは、
今の暮らしを楽にするため
という視点を残しておくことが大切です。
生前整理は全部終わらせる必要はない
生前整理という言葉を見ると、
「家の中をすっきりさせなければ」
と思うことがあります。
しかし、完璧に終わらせる必要はありません。
少しでも分かる状態になれば十分
たとえば、
- 大事な書類の場所が分かった
- 不要な家具を一つ処分した
- 本棚を一段整理した
- 契約書を一か所にまとめた
- 残したい物を親から聞けた
これだけでも前進です。
親との会話そのものにも意味がある
生前整理をきっかけに、
「これは残したい」
「この写真は○○のときのもの」
という話を聞くこともあります。
単に物を減らすだけではなく、親が何を大切にしているのか知る機会にもなります。
だからこそ、短期間で捨てる量を競う必要はありません。
まとめ|「生前整理しよう」より「これから暮らしやすくしない?」から始める
親と生前整理について話したいときは、最初から、
「生前整理しよう」
と言う必要はありません。
まずは、
「使ってない物だけ少し見ない?」
「大事な書類の場所だけ分かるようにしとかない?」
「今より暮らしやすくするために少し整理しようか」
という小さな話から始めます。
もし、
「縁起でもない」
と言われたら、
「死ぬ準備の話じゃないよ」
と短く伝えれば十分です。
親が残したい物は残す。
迷う物は保留にする。
売れそうなら確認する。
大事な書類は場所だけ共有する。
そのくらいから始めても、生前整理として意味があります。
大切なのは、親に「死後の準備をさせる」ことではありません。
親が自分で判断できる今のうちに、これからの暮らしを少し整えながら、必要なことを家族で話せるようにしておくことです。
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- 親の物を勝手に捨てないために|実家の片付けで最初に決めたいルール(準備中)
- 実家の片付けを始めることを兄弟にどう伝える?勝手に捨てたと言われないために(準備中)

