親が元気そうに見えていても、
「最近、健康診断を受けていないみたい」
「一度くらい確認しておいたほうが安心では」
「本人は大丈夫と言うけれど少し気になる」
と思うことがあります。
けれど、親に
「健康診断ちゃんと受けてる?」
と聞くと、
「元気だから必要ない」
「病院は嫌い」
「何か見つかったら面倒」
「そのうち行く」
と流されてしまうこともあります。
家族としては病気だと決めつけたいわけではありません。
ただ、親が元気に暮らしている今だからこそ、体の状態を確認する機会を持ってほしいと思っているだけでも、言い方によっては「年寄り扱いされた」と受け取られることがあります。
健康診断をすすめるときは、「何か悪いところがあるはず」と決めつけるのではなく、「元気なうちに一度確認しておくと安心」という伝え方が使いやすくなります。
この記事では、親に健康診断を受けてほしいときの切り出し方、そのまま使える例文、「必要ない」「病院は嫌い」と言われた場合の返し方、避けたい言い方について紹介します。
※この記事では病気や健康状態の判断ではなく、親子で健康診断について話すときの伝え方を中心に扱います。受診や検査の必要性について個別に判断したい場合は、医療機関などへ相談してください。
親に健康診断をすすめにくいのはなぜ?
健康診断は、家族から見ると「念のため確認しておくもの」です。
しかし、親本人にとっては、
「病気を探されるもの」
「年を取ったから受けろと言われている」
「病院に行くきっかけを作られている」
と感じることがあります。
そのため、正論だけで、
「毎年受けたほうがいいよ」
と伝えても、本人が納得するとは限りません。
まずは、親がなぜ健康診断を受けたくないのかを聞くところから始めます。
親が元気なうちに暮らしや今後について話しておきたいことはこちらでもまとめています。
→親が元気なうちに話しておきたい実家と暮らしのこと
病院そのものを嫌がる場合の伝え方はこちらでまとめています。
→親に病院へ行ってほしいときの伝え方|受診を嫌がる親への声かけ(準備中)
「健康診断受けて」から話を始めなくていい
健康診断をすすめたいと思っても、最初から受診の話をする必要はありません。
まずは普段の体調について軽く聞くところから始めると、会話が自然になります。
「最近どう?」
「疲れやすくなってない?」
「今年って健康診断受けた?」
くらいの聞き方でも十分です。
大切なのは、尋問のように確認しないことです。
親が、
「別に何ともないよ」
と言ったら、
「そっか」
と一度受け止めます。
そのあとで、
「元気ならそれを確認する意味でも、一回受けといたら安心かなと思って」
と続けると、病気を疑っている印象が弱くなります。
親の一人暮らしについても、年齢だけで危険と決めつけず、普段の様子を見ることが大切です。
→親の一人暮らしは何歳から危ない?家族が見るべきサインと備え
健康診断の話を切り出しやすいタイミング
健康の話は、唐突に持ち出すほど重く感じられることがあります。
自然なきっかけを使うほうが話しやすくなります。
たとえば、自分が健康診断を受けたときなら、
「この前会社の健康診断行ってきたんやけど、今年受けた?」
と聞けます。
親だけに受診を求めるのではなく、自分も受けていることを話すと、
「高齢だから言われている」
という印象を弱められます。
また、親自身が、
「最近ちょっと疲れやすい」
「血圧が気になる」
など体の話をしたときも、自然なタイミングです。
ただし、家族側で原因を決めつける必要はありません。
「それなら一回相談してみたら?」
くらいから始めます。
親に健康診断を受けてほしいときの伝え方
健康診断をすすめるときは、「受けるべき」という話より、「受けておくと安心」という形にすると角が立ちにくくなります。
たとえば、
「何か悪いと思ってるわけじゃないよ。元気なうちに一回確認しといたら安心かなと思って」
という伝え方です。
また、
「私も受けるから、一緒に今年は確認しとこ」
という言い方もできます。
親だけを特別扱いしないことがポイントです。
健康診断について話すことをきっかけに、普段の暮らしについても少しずつ確認できます。
→親が一人暮らしになる前に家族が確認しておきたいこと
そのまま使える健康診断のすすめ方
親に話すときは、長く説明するより短い言葉のほうが伝わることがあります。
たとえば、次のような言い方があります。
「今年って健康診断もう受けた?」
「何かあると思ってるわけじゃないよ。元気なら元気って確認できたら安心やん」
「私も今年受けるから、お互い一回見てもらっとこか」
「今すぐじゃなくていいけど、今年どこかで受けへん?」
「病気探しっていうより、今の状態を一回確認しとく感じでいいんちゃう?」
親が病院を嫌がる場合は、
「病院嫌いなのは分かってるよ」
と一度受け止めてから、
「何が一番嫌なん?」
と聞いてみます。
病院嫌いの親が怒ってしまった場合の話の終わらせ方はこちらでまとめています。
→病院嫌いの親が怒ったときの話の終わらせ方|しつこく説得しないための返し方(準備中)
「元気だから必要ない」と言われたらどうする?
健康診断をすすめると、
「どこも悪くないから必要ない」
と言われることがあります。
ここで、
「自分では分からないでしょ」
と否定すると、話がぶつかります。
まずは、
「元気なのはよかった」
と受け止めます。
そのうえで、
「だから今の状態を確認するくらいの気持ちで受けたらどうかなと思って」
と伝えます。
「病気があるから受ける」
という話にしないことがポイントです。
一度で納得してもらえなければ、
「じゃあまた機会あるとき考えてみて」
と終えても構いません。
親への伝え方では、その場で結論を取ることよりも、次にも話せる状態を残すことが大切です。
「何か見つかったら怖い」と言われたら
親によっては、
「検査して何か見つかるほうが怖い」
と感じています。
この場合、
「早く見つけたほうがいいに決まってる」
と正論で押すだけでは、気持ちは変わらないことがあります。
まず、
「そういうの考えると嫌になるよな」
と受け止めます。
そのうえで、
「無理に今日決めなくていいけど、一回どうするかだけ考えといて」
と話を終える方法もあります。
不安そのものを否定しないことが大切です。
「面倒だから行かない」と言われたら負担を聞く
健康診断そのものではなく、
「予約が面倒」
「移動が大変」
「待つのが嫌」
という理由で避けていることもあります。
その場合は、
「何が一番面倒?」
と聞いてみます。
もし移動が負担なら、
「行くなら送っていこうか?」
と提案できます。
ただし、
「一人では行けないでしょ」
とは言わず、本人が希望した場合に手伝う形にします。
親の運転についても心配がある場合の話し方はこちらでまとめています。
→親の運転が心配と伝えるには?事故を責めずに話す言い方(準備中)
免許返納について親と話す場合はこちらでまとめています。
→親に免許返納してほしいときの伝え方|運転をやめてと言いにくいときの話し方(準備中)
健康診断を受けない親に何度も言い続けない
心配していると、
「予約した?」
「いつ行く?」
「まだ受けてないの?」
と何度も聞きたくなります。
しかし、繰り返すほど、
「またその話か」
と思われ、健康の話そのものを避けられることがあります。
一度伝えたら、少し時間を置くことも必要です。
たとえば、
「分かった。今日はもう言わんよ。でも私がちょっと心配してることだけ覚えといて」
くらいで終えます。
親が見守りを嫌がる場合にも、一度で決めさせず選択肢を残す考え方が使えます。
→親が見守りサービスを嫌がるときの伝え方|監視と思われないすすめ方
遠方の親には「受けた?」と確認しすぎない
離れて暮らしている親ほど、普段の様子が見えないため心配になります。
そのため、
「健康診断行った?」
「結果どうだった?」
「何か言われた?」
と細かく聞きたくなることがあります。
しかし、親が自分で生活や健康管理をできているのであれば、すべてを家族が管理する必要はありません。
「今年受ける予定ある?」
と一度聞き、
「受けたらまた教えて」
くらいにとどめる方法もあります。
遠方の親が心配な場合に家族ができることはこちらで整理しています。
→遠方の親が心配なときに家族ができること
連絡頻度について親と話したい場合はこちらでまとめています。
→親に毎日連絡するのは嫌がられる?見守りのための連絡頻度を話し合う方法(準備中)
兄弟がいる場合は全員で説得しない
親が健康診断を受けてくれないと、
「兄弟からも言ってもらおう」
と思うことがあります。
ただ、家族全員から一斉に、
「健康診断行って」
と言われると、親は追い詰められたように感じることがあります。
兄弟がいる場合は、まず家族の間で、
「何を心配しているのか」
を共有します。
そのうえで、親と話しやすい人が一人から伝える方法もあります。
兄弟に親のことを相談するときの切り出し方はこちらでまとめています。
→兄弟に親のことを相談したいときの切り出し方|いきなり介護分担の話をしないコツ(準備中)
兄弟で親について話し合うときの進め方はこちらでまとめています。
→兄弟で親のことを話し合うときの進め方|揉めにくい順番と決めておきたいこと(準備中)
健康診断の結果まで無理に聞かなくていい
親が健康診断を受けたあと、
「結果全部見せて」
と言いたくなることがあります。
しかし、健康情報は親本人のプライベートな情報です。
本人が共有したい範囲を尊重することも大切です。
まずは、
「どうやった?」
と普通に聞きます。
親が、
「大丈夫だったよ」
と言えば、それ以上細かく聞かなくてもよい場合があります。
もし本人から、
「これどうしたらいいと思う?」
と相談されたら、そのとき一緒に考えます。
受診や薬について家族だけで判断せず、必要な場合は医療機関などへ相談します。
薬について親と話したい場合の伝え方はこちらでまとめています。
→親に薬の管理をしてほしいときの伝え方|飲み忘れを責めない話し方(準備中)
健康診断をすすめるときに避けたい言い方
家族として心配していても、強い言葉は親の反発につながります。
特に次のような言い方は避けたほうが会話を続けやすくなります。
- 「もう年なんだから健康診断くらい受けて」
- 「何か病気あるんじゃない?」
- 「絶対どこか悪いと思う」
- 「なんで言うこと聞かないの?」
- 「倒れてからじゃ遅いよ」
- 「自分では大丈夫と思ってるだけでしょ」
- 「健康管理くらいちゃんとして」
- 「こっちが心配するから受けて」
- 「もう予約しておいたから」
親に受診や健康診断をすすめるときは、家族が病気の有無を決める必要はありません。
「病気だと思う」ではなく「一度確認しておくと安心」という伝え方を意識します。
健康の話だけを特別扱いしない
親との健康の話が難しくなる理由のひとつは、何か問題が起きたときだけ話すことです。
普段から、
「最近調子どう?」
「ちゃんと食べてる?」
くらいの軽い会話ができていれば、健康診断についても切り出しやすくなります。
ただし、毎回確認すると監視されているように感じる親もいます。
食事について心配な場合の伝え方はこちらでまとめています。
→親の食生活が心配なときの伝え方|「ちゃんと食べてる?」と毎回聞かない話し方(準備中)
宅配食をすすめるタイミングについてはこちらでも整理しています。
→高齢の親に宅配食をすすめるタイミング|一人暮らしの食事が心配なときに
親が一人暮らしを続ける場合に考えておきたいリスクや備えはこちらです。
→高齢の親が一人暮らしを続けるときのリスクと備え
まとめ|「病気が心配」より「元気なうちに確認しない?」から始める
親に健康診断を受けてほしいときは、
「何か病気があるんじゃない?」
と不安をぶつける必要はありません。
まずは、
「今年健康診断受けた?」
「元気ならそれを確認する意味でも一回受けといたら安心ちゃう?」
「私も受けるから、お互い確認しとこ」
という軽い話から始めます。
親から、
「元気だから必要ない」
と言われたら、元気であることを否定しないことも大切です。
病院が嫌なら何が嫌なのか聞く。
移動が大変なら手伝えることを提案する。
その日に嫌がられたら、一度話を終える。
一回の会話で受診を決めてもらう必要はありません。
大切なのは、健康について気になることが出たときに、親子で普通に話せる関係を残しておくことです。
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