引っ越し後に公共料金の請求書を見て、
- 旧居分の請求がまだ来ている
- 新居と旧居で同じ期間が重なっている
- 「二重請求では?」と感じた
という経験は、実は珍しくありません。
多くの場合、これは
手続きミスではなく、検針日と引っ越し日のズレによって起きます。
この記事では、
公共料金の二重請求が起きやすいパターンを整理し、
落ち着いて確認・対処するための考え方をまとめます。
まず確認したい前提|本当に「二重請求」か?
最初に押さえておきたいのは、
見た目が重なって見えても、実際には調整対象になるケースが多い
という点です。
公共料金は、
- 実際の使用量(計量)
- 請求期間の区切り(検針日)
をもとに計算されています。
この仕組みを知らないと、
請求書の期間表示だけを見て
「二重に取られている」と感じやすくなります。
▶ 基礎はこちら
[計量日と検針日の違い|請求書を見て混乱しやすいポイント整理]
二重請求に見えやすい代表的な3パターン
1. 解約手続きのタイミングが遅れた場合
- 退去後に解約連絡をした
- 使用していない期間が含まれているように見える
この場合でも、
実際の退去日が確認できれば調整されることが多いです。
2. 検針日と引っ越し日が離れている場合
- 検針日:月初
- 引っ越し日:月半ば
検針日から引っ越し日までの期間は、
日割りや推計で計算されるため、
請求書の表記が分かりにくくなります。
3. 新旧住所の請求期間が重なって見える場合
- 旧居:前回検針日〜退去日
- 新居:入居日〜次回検針日
期間表示だけ見ると
「同じ日付が両方に含まれている」ように見えることがあります。
気づいたときにやること(整理版)
慌てて判断せず、次の順で確認します。
① 請求書の「検針日」を確認
- 旧居・新居それぞれの検針日
- 請求期間の開始日と終了日
👉検針日が違えば、単純比較はできません。
② 退去日・入居日を整理
- 賃貸契約の解約日
- 鍵の返却日
- 引っ越し業者の利用日
これらが一致していなくても、
実際に使用していた期間が重要になります。
③ 事業者に状況を伝える
- 二重請求の「可能性がある」と伝える
- 退去日・入居日を正確に説明する
多くの場合、
ここで計算方法の説明や調整案が示されます。
電気・ガス・水道で少しずつ違う点
電気
- スマートメーター普及により、調整が比較的スムーズ
- 過去データからの再計算がしやすい
ガス
- 閉栓・開栓の立ち会い有無が影響することがある
- 最終検針日の確認が重要
水道
- 検針が2か月に1回の自治体もある
- 下水道料金と合算され、分かりにくいことがある
👉同じ「公共料金」でも扱いは微妙に違います。
よくある疑問
Q1:手続きを忘れてしばらく経っている場合は?
今からでも状況説明と調整依頼は可能なケースが多いです。
実際の退去日を示せる資料があると話が進みやすくなります。
Q2:メーター値を控えていない場合は?
過去の使用実績や次回検針時の数値をもとに、
調整されることがあります。
Q3:本当に解決しない場合は?
事業者とのやり取りで解決しない場合、
消費生活センター
への相談が一つの選択肢になります。
まとめ|多くは「仕組みのズレ」で説明できる
- 二重請求に見えても、実際は調整対象のことが多い
- 原因は検針日と引っ越し日のズレ
- まずは請求期間と検針日を確認する
- 落ち着いて整理すれば、判断しやすくなる
公共料金の請求で迷ったときは、
「計量」「検針」「区切り」の3点を意識すると、
状況を冷静に見直せます。

